楽器買取査定基準となるもの
楽器は買取をしてもらうことが可能で、要らない物を売って処分できます。しかし、一定の査定基準をクリアした物のみを売ることができ、何に対しても価値が付くわけではありません。
どういったポイントを踏まえ価値を付けているのか、査定基準の詳細についてここで確認をしていきましょう。
売れ筋のメーカーやモデルは人気が高い
買取において査定士がチェックするポイントのひとつがメーカーやモデルです。基本的には名のあるメーカー楽器の方が人気は高く、価値もアップしやすいと言えます。
有名どころの楽器は多くのニーズがあるゆえに売れ行きも良い傾向があり、どこが手掛ける製品なのかは業者も重視する傾向が強いです。併せてモデルのチェックもされます。一口にメーカー品といってもモデルには種類もあるものですが、個々でランクも違ってきます。高級なラインナップに入る物なら価値は高く、反対に廉価な物ですと価値が下がってしまうのが通常です。
有名メーカーの楽器は売れ筋という強みがある分、買取でも有利になりやすいです。市場での人気が高いために中古に対するニーズも多く、積極的に買取をしてくれる可能性が大と言えます。
一方、マイナーなメーカーだったり、新品でも価格が安いモデルだったりすると、価値は付きにくいです。とはいえ、売れる可能性がゼロというわけでもありません。あくまでも価値が付きにくいというだけで、買取自体は行ってもらえる可能性はあるため、まずは査定に出してみることが大切です。
正常に動作をするかどうかが基本条件
動作状況も査定時にチェックされます。楽器という特性上、動作の可否によって価値は変わる可能性が高く、状況次第では減点にされることもあるでしょう。基本的に動作不良がある場合は減点対象になることが多いです。
例えばピアノを売る場合、鍵盤を押しても正常に音が出ないと、不良ありと判断されその分、価値は下がります。程度次第では問題なく売れることがある一方、買取不可になるケースもあります。
特に元々の価値が高くない物は、動作不良があることで大きなハンデとなり、中古としての価値はゼロと判断をされてしまうこともあるのです。
ただ、動作に問題がある場合でもジャンク品での買取をしてくれることもあるため、売却を諦める必要はありません。ジャンク品は、故障などの、何らかの難がある状態を指す品物のことですが、使用に問題があるような物でも、このカテゴリーでの価値を付けられることもあるのです。
壊れている物でも、直して使うことができたり、部品取りとしての役割があったりします。敢えて難ありの品を求める人もいるため、そうしたニーズに向けてジャンク品でも買取をしてくれるケースもあります。
傷や汚れの有無で価値が変化する
査定時には傷や汚れの存在もチェックされます。なぜならコンディション次第で中古の売れ行きは違ってくるからです。例えば、新品同様にキレイな中古品と、傷や汚れの目立つ中古品があった場合、売れやすさで言えば前者に軍配が上がりやすいです。
価格が同じならキレイな方を選ぶのが通常で、ダメージがある物は敬遠されてしまうでしょう。買取業者は売れやすさも踏まえて査定を行うため、できるだけ傷などの減点箇所は少ない方が望ましいと言えます。使用感が少ない物は売却において有利であり、高い価値によって引き取られるチャンスがあります。
ただ、傷や汚れがあっても、査定に出す前に対策を行っておくことで減点を回避できるかもしれません。目立つダメージでは隠しようもありませんが、微細な内容なら専用の傷消しグッズやクリーナーを使用することで、キレイにできることもあるはずです。
査定に出す前に手入れを行っておけば、コンディションの面での印象を落とさずに済むこともあります。手入れの有無で評価は違ってくるため、できるだけ掃除をするなどしてから売りに出すことが望ましいと言えます。
付属品が完備されていると価値が高まる
楽器を購入すると、何らかの付属品が付いてくることがあります。例えば、取り扱い説明書や保証書、収納ケースなどが挙げられますが、これらがきちんと揃っていることも高額買取の条件です。
楽器を使用する分には不要な存在のこともあるため、捨てられてしまうことも少なくありませんが、付属品が揃った状態の方が中古品は売れやすくなるのです。本来、付いている物はセットで手に入れたいという人も多くいますので、そうしたニーズを踏まえて買取業者も、付属品がある物に対して高い価値を付けてくれます。
楽器は本体だけでも売ることはできるため、ついつい他の物を欠品させたまま査定に出してしまいがちですが、重要な査定基準であることを理解の上、欠かさずに付けておくのが理想的と言えるでしょう。
なお、後から購入したオプション品を持っていることもあるかもしれませんが、そういった物を付属させておくと価値が高まることがあります。セットで引き取ってくれることも多いため、本体の処分に際して不要になった際には、まとめて売りに出すのがおすすめと言えます。もちろんオプション品に関しても元々の付属品があるのが好ましいです。
その時の相場によって変わる価値
市場での相場状況も、重要な査定基準のひとつに挙げられます。楽器の価値は一定ではなく、その時の状況次第で変わってしまうのです。例えば以前は人気が高かったメーカーでも、時間の経過と共に人気が衰えてしまうことがあります。
そういった楽器の場合は中古も売れにくくなると考えられますので、必然的に査定価格も落ち込んでしまう可能性が高いのです。したがって査定時に相場が下がっていると、所有者としては不利な売却になるかもしれません。
しかし、相場は下がることもあれば逆に高くなることもあります。何かの拍子に人気に火が付くなどして市況が活性化するパターンもあり、そういった場合は所有者にとって有利な売却をしやすいです。査定価格も伸び、お得な売り方ができるチャンスが高まるでしょう。
その時々で相場が変化することを踏まえ、売り手は今の状況を押さえた行動を心掛けることが大切です。相場が上がっている現時点で売った方が良いこともあれば、しばらく様子を見た方が良い場合もあります。価値を適切に把握しながら行動をすることが大切ですので、タイムリーな相場を踏まえつつ売却のタイミングを窺うようにしましょう。
買取業者ごとに査定基準が異なる場合もある
巷には沢山の楽器買取業者があります。そして多くの業者で査定基準は共通しており、似たようなところを確認しながら価値を導き出します。ただ、全く同じ基準で価値を判断するわけではない点に注意も必要です。例えば、お店の在庫状況によって査定価格が違ってくることもあります。
仮に中古の売れ行きが悪く在庫過多になっている場合は買取を制限し、厳しめの査定額を提示するようなこともあるのです。逆に在庫不足で仕入れを強化したいと考えている場合は、積極的に高額査定を付けて在庫を増やそうとします。
こういった業者を取り巻く状況も査定基準に関わってくる要素ですが、その点を踏まえ、売り手は色々なところで査定を受けてみることが大切と言えるでしょう。ひとつのところだけで売却を決めようとすると、前述をしたような理由で安値を付けられてしまうかもしれません。
別のところからも査定を受ければ、もっと高額で売れるチャンスもあるはずです。よく比較をしながら最終的な売却先を決めるのが、より高く売るための秘訣であり、手間暇を掛けるかどうかでお得度も大きく変わってきます。
どんな理由によって楽器の買取価格が決まってしまうのか、売り手は査定基準をよく知っておくことが大切です。その点を踏まえた売却活動を行うことで、お得に売れるチャンスが高まると共に、損をする可能性も軽減できるのではないでしょうか。